再生医療の分類と自由診療として応用されている治療例
再生医療といっても本記事では再生医療の分類や本邦で自由診療として臨床応用されている治療例について解説します。
そもそも再生医療とは?
ここでいう再生(正しくは、再生療等ですが、ここでは簡略化して説明するために再生医療と記載します)とは「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(平成25年11月施行)によって定義されています。具体的には、PRP法、脂肪由来幹細胞治療などが該当します。
詳細な定義については当局の WEBサイト[1*]をご覧ください。
再生医療の分類とは?
再生医療は人の生命及び健康に与える影響の程度に応じて、3つに分類が行われています。一般的にリスクの度合いが大きいもの程審査が厳しく、審査にかかる費用も大きくなります。
● 第1種再生医療等
ES細胞やiPS細胞、遺伝子導入または改変を行った細胞、投与を受ける人以外の細胞を使った治療 など
● 第2種再生医療等
培養した細胞を使った治療、または、その他、治療を受ける部位の細胞と異なる機能を持った細胞を使った治療 など
● 第3種再生医療等
治療を受ける部位の細胞と同じ機能を持った細胞を使った治療 など
第1種再生医療等は研究を除いては臨床利用されていません。病院やクリニックで導入される可能性のある再生療法の多くは第2種または第3種に分類されます。以下では自由診療として臨床応用されている治療とその分類を紹介します。
本邦で自由診療として臨床応用されている治療例
第1種再生医療等[2*]
インスリン依存性糖尿病に対する同種膵島移植 など
第2種再生医療等[3*]
| 整形外科 | PRPを用いた関節症、関節内組織の治療 PRPを用いた脊椎由来性疼痛の治療 骨髄濃縮液(BMC)の関節内投与療法 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた関節症の治療 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた脊髄損傷の治療 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた骨髄異常病変の治療 骨髄由来間葉系幹細胞を用いた脳卒中の治療 骨髄由来間葉系幹細胞を用いた脊髄損傷の治療 骨髄由来間葉系幹細胞を用いた神経変性疾患の治療 |
|---|---|
| 婦人科 | PRPを用いた子宮内膜に対する治療 PRPを用いた卵巣に対する治療 |
| 美容皮膚科 | 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いたしわ・たるみ等加齢性変化の治療 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いたアトピー性皮膚炎の治療 自家培養真皮線維芽細胞を用いた皮膚再生治療 |
| 内科 | 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた糖尿病の治療 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた肝障害の治療 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた慢性疼痛の治療 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた身体的フレイル進行抑制・予防の治療 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた重症虚血肢病変の療法 |
第3種再生医療等[4*]
| 整形外科 | PRPを用いた筋肉、腱、靭帯、筋膜の損傷及び慢性炎症の治療 PRPを用いた骨髄異常病変の治療 |
|---|---|
| 美容皮膚科 | PRPを用いたしわ・たるみ等加齢性変化の治療 PRPによる男女外性器の皮膚・粘膜の老化の治療 PRPによる男性器増大 PRPによる薄毛、脱毛症の治療 |
| 形成外科 | 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた乳房再建術 |
| 内科 | ヒト自己活性化NK細胞によるがん免疫細胞療法 |
| 歯科 | PRPを用いた口腔内組織の治療 CGFを用いた口腔内組織の治療 |
厚生労働省 医政局 研究開発政策課, e-再生医療 再生医療等の各種申請等のオンライン手続きサイトより
詳細な再生医療等技術の分類の考え方については当局の WEBサイト[1*]を覧ください。
まとめ
この記事では、記事では再生医療の分類や本邦で自由診療として臨床応用されている治療例について解説してきました。
治療の種類ごとに対応できる書類作成業者や再生医療等委員会があり、情報収集にお困りの方はぜひご相談ください。
[1*]厚生労働省 医政局 研究開発政策課
e-再生医療 再生医療等の各種申請等のオンライン手続きサイト![]()
[2*]届出された再生医療等提供計画(治療)の一覧(第1種)![]()


